ソーラー セイル。 JAXA成功公表。世界初小型ソーラー電力セイル実証機「イカロス」の画像をまず見て下さい。

最新のソーラーセイル事情はどうなっているの?【2019年夏】

ソーラー セイル

SpaceXは、「Falcon Heavy」ロケットを6月24日(現地時間)、フロリダから打ち上げる予定だ。 今回は、「ソーラーセイル(太陽帆)」のみを動力とする小さな人工衛星が搭載される。 この衛星は米国の惑星協会が開発を進めている「ライトセイル2号(LightSail 2)」と呼ばれるもので、2009年11月に計画が発表されていたが、打ち上げ予定が延び延びになっていた。 【こちらも】 「ソーラーセイル」とは、光を反射する帆で、これに光子を当ててその反力を推進力とする仕組みである。 ライトセル2号と似た先行する試みに、JAXAのイカロスがあるが、イカロスは太陽光電池パネルで集電し、そのエネルギーで稼働するイオンエンジンと「ソーラーセイル」を併用するハイブリッド型であった。 ライトセル2号は、「ソーラーセイル」のみを推進力とする機体として世界で初めて宇宙に送り出される。 光子の反力を推進力として宇宙を航行するアイデアは、かなり昔から存在しており、古くはヨハネス・ケプラーもそのアイデアを持っていたと言われている。 「ソーラーセイル」アイデアが古くからあったにもかかわらず、実用化されなかった最大の理由は、薄く軽く強度があり反射性に富んだ宇宙での使用に耐える素材が、昔は存在しなかったためである。 現代科学を使えば、このような条件を兼ね備えた素材を準備することはそれほど難度の高いことではない。 イカロスの「ソーラーセイル」は、ポリイミド製で膜厚7. 「ソーラーセイル」による推進力はセイルの面積と光子圧力に比例するが、その推進力はいったん宇宙空間を航行する軌道に乗せてしまえば、燃料のようなものを消費することがないため永遠に維持できるだけでなく、時間をかければかけるほど光速に近づけることができるメリットがある。 このように燃料で推進するロケットとは全く異なる原理で宇宙空間を航行する「ソーラーセイル」搭載機は、地球からかなり遠くの宇宙へ向けて、つまり太陽系外はおろか数万光年の銀河かなたを目指した航行も可能である点に、無限の可能性を見出している科学者も多い。 (記事:cedar3・).

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ソーラー電力セイル探査機システム

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研究者たちはグラフェンがソーラー・セイルとして活用できるかを実験するため、わずか3ミリのサイズのソーラー・セイルを用意しました。 実験を行うには宇宙のように空気や重力の影響を受けない環境を用意しなければなりません。 そこで、ドイツのブレーメンにある 高さ100メートル余りの実験設備が使われました。 Credit: ESA このタワーの内部(下図)は真空状態となっており、タワーの上部からソーラー・セイルを落とすことでフリーフォールのような状態になり、実際に地球上から抜け出すことなく重力の影響を打ち消すことができます。 そこにレーザー光を当て、ソーラー・セイルのような役割ができるかどうかを検証します。 Credit: ESA 1ワットのレーザー光を当てると、ソーラー・セイルは加速します。 その「 加速度」(ある時間にどれだけ速度が変わるか)はわずかなものですが、太陽光を当て続ければ加速し続けることができ、どんどん速くしていくことができます。 初期の実験は成功し、ソーラー・セイルの素材となりうることを示すことができたということです。 この「グラフェン・セイル」チームのリーダーであるSCALE Nanotech社のSantiago Cartamil-Bueno氏は「グラフェンを作るのは比較的シンプルで、キロメートル級のサイズのセイルを作ることもできます。 もっとも、そのサイズの帆を打ち上げ後に宇宙で広げるのは大きなチャレンジです。 」と語っています。 現在SCALE Nanotech社は宇宙で行う最終的なテストに向け、パートナーとなる企業を探しているところです。 巨大な実験棟にも驚きますが、こうしたソーラー・セイルが実用化されれば探査機が行ける範囲も大きく広がりそうです。 Image: ESA Source: ESA 文/北越康敬.

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最新のソーラーセイル事情はどうなっているの?【2019年夏】

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その誕生と歴史をめぐって大きな謎が眠る木星トロヤ群の小惑星。 そこへ世界で初めて、宇宙航空研究開発機構 JAXA ・宇宙科学研究所 ISAS が開発している「ソーラー電力セイル探査機」が赴こうとしている。 ソーラー電力セイルは、巨大な帆を広げて、太陽光の圧力で前に進むとともに、その表面に貼ったごくごく薄い太陽電池を使って発電も行い、機器やエンジンなどを動かすことができる、非常に効率の良い技術である。 2010年に打ち上げられた小型の実証機「IKAROS」によって、初めて宇宙空間で試験が行われ、その技術がたしかに宇宙航行で使えることを証明した。 そしてさらなる改良が加えられ、いよいよその技術を、本格的な宇宙航行と宇宙探査に使う道が見えてきた。 では、木星トロヤ群小惑星に行くべき理由について取り上げ、ではさまざまな制約に縛られた日本が、地球から遠く離れた木星圏などへ探査機を飛ばすために編み出された、ソーラー電力セイルという技術について取り上げた。 今回は、ソーラー電力セイルの技術実証機である「IKAROS」と、木星圏へ飛ぶ"本番機"であるソーラー電力セイル探査機との違いや改良点、そして実現に向けたさまざまな難関と、日本の宇宙探査の未来について取り上げたい。 ソーラー電力セイル探査機による木星トロヤ群小惑星探査の想像図 C JAXA ソーラー電力セイル探査機に搭載される帆の実寸大モデル 太陽光圧では飛ばないソーラー電力セイル探査機 IKAROSとソーラー電力セイル探査機とを比べたとき、最も目立つ違いはその大きさである。 正方形の帆という形こそ変わらないものの、IKAROSは一辺約14mほどだったが、ソーラー電力セイル探査機の一辺は50mにもなる。 中央にある探査機本体部分も大きくなるため、IKAROSとソーラー電力セイル探査機の大きさの違いは、最終的に約15倍にもなるという。 7月13日に行われたソーラー電力セイル展開実験では、実際に実寸第モデルの帆が体育館の床に広げられた。 広げられたのは正方形を対角線で四等分したうちのひとつの、二等辺三角形状の部分のみ これを1ペタルという だったが、それでも圧倒的な大きさであった。 今回の実験を指揮したJAXA宇宙科学研究所の松本純氏をはじめ、IKAROSから関わってきた研究者も口々に「IKAROSも当時は大きいと感じたが、ソーラー電力セイル探査機がこれほどとは」、「IKAROSは小さい」と語っていたのが印象的だった。 IKAROSの帆 手前 とソーラー電力セイル探査機の帆 奥いっぱい の比較。 圧倒的な差がある 今回の実験を指揮した、JAXA宇宙科学研究所の松本純氏 第2回で触れたように、ソーラー電力セイル探査機はIKAROSをそのまま大きくしたような形をしている。 四隅に重りをつけて、機体を回転させながら遠心力で帆を開くという展開方法も同じであるが、両者にはいくつもの違いがある。 そのなかでも決定的な違いは、太陽光の利用方法にある。 第1回でも触れたように、IKAROSでは太陽光の反射による反動で推進できることを実証した。 まるで海の帆船が帆に風を受けて進むように、ソーラー・セイルは太陽光を受けて宇宙を進むというのが、元来さまざまな研究やSF小説などで描かれてきたソーラー・セイルの使い方であった。 実際、IKAROSの帆は、ポリイミドの上にアルミニウムが蒸着されており、太陽光を反射しやすいようになっている。 ところがソーラー電力セイル探査機は太陽光による推進を使わない。 推進用にイオン・エンジンを積んでいるためで、たしかにイオン・エンジンの推進力は非常に弱いものの、それでも太陽光圧よりは大きいため、使う必要がないのである。 松本氏曰く「太陽光はむしろ邪魔」なのだという。 つまりソーラー電力セイル探査機の帆は、単に「薄膜太陽電池を大きく広げるため」だけに使うため、その帆は太陽光を素通りさせるために、言い換えれば太陽光が反射して推進力を生み出さないように、ポリイミドそのままの、ほとんど透明なものになっている。 IKAROSの帆は太陽光を反射しやすいよう、銀色に輝いている 一方、ソーラー電力セイル探査機では太陽光を反射させないために透明のままとなっている 畳む作業をしている人の足が透けて見えている ただ、推進力に太陽光は使わないものの、探査機の姿勢を変える手段としては利用する。 これにはIKAROSに搭載されて試験が行われた「液晶デバイス」を使う。 液晶デバイスとは、液晶に電気を流すと透明度が変わることを利用し、たとえば帆の左右にこのデバイスを貼り付け、片方の透明度を変えることで、太陽光から受ける圧力にわずかな差を生み出し、それによって機体の姿勢を制御するというものである。 通常、機体の姿勢制御はスラスター 小型のロケット・エンジン を噴射して行うが、液晶デバイスを使えば電気のみで、燃料を使わずに姿勢制御ができる。 ソーラー電力セイルでは、IKAROSと同じように四辺のすべてにわたって液晶デバイスを貼り付ける。 ただ、液晶デバイスそのものは改良され、IKAROSでは探査機の向き スピン軸の方向 のみを変更可能だったものが、ソーラー電力セイル探査機では太陽光の反射方向を斜めにすることで、スピンレート 回転速度 をも制御可能な方式になるという。 また、電力セイルの肝でもある薄膜太陽電池は、IKAROSで用いられたアモルファスシリコンのものから、より発電効率が高く、宇宙環境下でも性能が劣化しにくいCIGSのものに変更。 これにより実装状態での発電効率は約3%から約10%へ向上するという。 IKAROSの液晶デバイス。 これと似た、しかし改良されたものがソーラー電力セイル探査機にも搭載される IKAROSの薄膜太陽電池。 こちらも、これと似た、しかし改良されたものがソーラー電力セイル探査機にも搭載される 帆の上に貼られた、やや霞んだ色のところに、ソーラー電力セイル探査機の薄膜太陽電池が貼られる 打ち上げへの道 実現に向けた難関のひとつは計画が認められるかどうか、という点である。 というのも、同時期に開発や打ち上げを狙っている他の計画がいくつもあるためである。 現在、日本の宇宙計画は、内閣府に設置された宇宙開発戦略本部が決定した「宇宙基本計画」に沿って進められている。 この宇宙基本計画のなかに「戦略的中型計画」という枠組みが用意されている。 これは惑星探査機や天文衛星といった科学衛星のうち、H-IIAロケットくらいのロケットで打ち上げ可能なサイズの中型衛星を、10年間で3機開発するというものであり、ソーラー電力セイル探査機はこの計画での実現を目指している。 戦略的中型計画にはいくつもの案が提案され、見込める科学的成果や、技術的な実現性などを審査し、そのなかから最終的に最も優れているものが選ばれる。 なお、中型以上の「大型」というカテゴリはなく 小型はある 、つまり今後ISASが手がける科学衛星は、国際共同開発などの例外がない限り、基本的にこの戦略的中型計画が機体も予算規模も最大となる。 しかし、その予算は300億円程度と非常に少ない。 また、関係者の話ではこの300億円のなかにはロケットの打ち上げ費用も含まれるとされ、つまり機体そのものは250億から200億円程度で開発しなければならないということになる。 第2回で「予算などの事情であまり大きく複雑な探査機は造れない」ということを取り上げたのにはこうした背景がある。 この予算内に収まるように造るのは、ソーラー電力セイル探査機だけでなく、すべての計画にとって大変な苦労となろう。 ソーラー電力セイル探査機は、戦略的中型計画の1号機に選ばれるべく応募したが、審査の結果、最終的に火星の衛星からのサンプル・リターンを目指す「火星衛星サンプル・リターン計画」 MMX が選ばれた。 MMXは現在、実現に向けた詳細な検討が始まっている段階にある。 その後、2015年9月に戦略的中型計画の2号機を選ぶ審査が行われ、「宇宙マイクロ波背景放射偏光観測衛星『LiteBIRD』」と共に、ソーラー電力セイル探査機も候補として残った。 両案は現在、概念設計と呼ばれる準備の段階にあり、2019年度にどちらかに候補が絞り込まれる予定となっている。 最終的にどちらが残るかはまだわからない。 もしこの戦略的中型計画2号機でソーラー電力セイル探査機が選ばれた場合、打ち上げ時期は2024年度ごろになる。 第2回で触れたミッション計画から2年遅れることになるが、幸いにも木星トロヤ群小惑星は多数あるため、目的地はよりどりみどりだという。 もちろん打ち上げ時期が変わるたびに軌道設計をやり直さなければならないという苦労はあるものの、「はやぶさ2」のように、ある年のある期間内に打ち上げなければ目的地に到着できない、ということはないため、2020年代でも30年代でも、基本的にはいつでも打ち上げることが可能だという。 だが、木星トロヤ群小惑星の探査は、現在米国のNASAも検討を進めており、もし開発が決定された場合、戦略的中型計画の2号機の打ち上げ目標と同じ、2024年ごろの打ち上げを目指すことになっている。 予算規模は約7億ドルから8億ドル 約700億円から800億円 ほどと戦略的中型計画の約2~3倍で、余裕のある機体に多数の科学観測機器を積んだ、高い性能の探査機を送り出すことになろう。 もっとも、このNASAの計画は着陸機の投下やサンプル・リターンなどは行わない予定なので、目的が完全にかぶることはなく、むしろお互いの探査成果を補強し合うことになると考えられる。 しかし、強力なロケットと通常のスラスターで向かうNASAの探査機のほうが先に到着することはほぼ間違いなく、その場合「世界初の木星トロヤ群小惑星の探査」の栄誉は奪われてしまうことになる。 打ち上げから木星トロヤ群小惑星への到着までは11年、もしサンプル・リターンを行う場合には打ち上げから帰還までは30年もかかる。 これほどの長い期間運用された宇宙機としては、NASAの「ヴォイジャー」 1977年に2機が打ち上げ、現在も運用中 くらいしかない。 しかもソーラー電力セイル探査機の場合、ただ観測を続けるだけでなく、30年後に最後の難関であるサンプルの入ったカプセルの大気圏再突入と回収が待ち受けている。 30年ともなると、現在20代の若い研究者も、探査機が帰ってくるころには定年間近になってしまう。 そこで探査機を造る技術的な問題の議論と並行し、最長30年でいかに人を育てて技術を伝承していくか、また運用に必要な書類などをどう管理するかなどといった議論も進んでいるという。 しかし30年という時間はあまりにも長すぎるのではないか。 運用期間が延びるほど探査機が壊れる可能性は上がるし、帰還を待っている間に、より進んだ観測機器を積んだ他国の探査機が打ち上げられ、数年で到着し、成果を先取りされる可能性もあるだろう。 NASAはほぼ同時期に1機打ち上げることを検討しているし、今後欧州や中国も目を向けるかもしれない。 彼らは日本よりも多くの予算を使え、大きなロケットももっている。 もちろん、第2回で触れたようなさまざまな制約があるなかで、日本が木星トロヤ群小惑星の探査のような深宇宙探査を行おうとした場合、ソーラー電力セイルやイオン・エンジンを活用しなければならないのは仕方がないことである。 しかし、宇宙探査は結局のところ、科学的な成果が出なければ意味がない。 それも世界で一番最初でなければならない。 ソーラー・セイルやソーラー電力セイルにはさまざまな活用法があり、そのすべてが無意味だというつもりはないが、ソーラー電力セイル探査機による木星トロヤ群小惑星の探査は、やや筋が悪いとはいえないだろうか。 日本の宇宙機、とくに探査機は、ソーラー電力セイルのように目に見える部分から、熱の逃がし方や半田付けの方法といった細かい部分にいたるまで、多くの「独自性」がある。 しかしその多くは、他国の宇宙機であればそもそも考慮しなくても良いような部分であることが多い。 そうした制約を、乗り越えるのではなく、別の少しましな制約に逃れたり、制約を制約と感じないように自ら言い聞かせた結果の、いびつな独自性であることが多々ある。 「もし他国のように潤沢な予算と人員があったら、こんな工夫や苦労をしたいと思いますか」。 こんな意地悪な質問を、筆者は何度かISASの工学系の研究者にぶつけたことがある。 すると彼らの多くは「それはそうですが」と前置きしたうえで、しかし「さまざまな制約のなかで工夫するのが楽しい」、「そうした制約があるから新しい発想が生まれる」と答える。 たしかにその意義を否定するつもりはない。 たとえばソーラー電力セイルが日本独自の技術として成立したこと、そしてその技術を使い、これまで日本では到底不可能だった、木星トロヤ群小惑星からのサンプル・リターンのようなミッションができる見込みが立ちつつあることは、まさにこうした制約があったからこその産物だろう。 しかし本来であれば、そうした制約のなかでもがき続けた後に生まれる独自性ではなく、他国と同等の環境のなかで生み出される独自性こそ、尊ばれるべきではないだろうか。 そしてその独自性は、確実に人類全体の科学・技術と知見を広げることに役立つだろう。 だが、もちろんそれはJAXAの責任ではない。 JAXAはあくまで、さまざまな制約があるなかで、あの手この手を使って難しいミッションが可能となる方策を編み出しているに過ぎない。 宇宙開発戦本部によれば、略的中型計画の目的は「世界第一級の成果創出を目指し、各分野のフラッグシップ的なミッションを日本がリーダとして実施する」と定められている。 であるならば。 もしこの文言を、その言葉どおりに実施すべきであると考えられているならば、真に行われるべきは、宇宙科学の予算を増やし、なおかつ原子力電池を使用できるようにしたり、世界各地に探査機と通信できるアンテナを建てたり、まずは日本の宇宙科学の環境を、他国と同等か、少なくとも今以上に改善することではないだろうか。 hayabusa. isas. jaxa. exst. jaxa. jaxa. cao. mext. 予めご了承ください。 連載一覧 第3回 第2回 第1回.

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