さすがだぞ ホップ。 草しばりでチャンピオン目指すポケモン剣盾#12 ~パウタウン道中記~|イチニノ|note

【剣盾】【議論】ホップいらなくね? → あいつはこれだったら良キャラだったんだけどな

さすがだぞ ホップ

俺はポケモン大好きおじさんだった。 ポケットモンスターシリーズ最新作であるソード&シールドの発売を楽しみにしていたと思ったら、気がついたら赤ちゃんになっていた。 何を言ってるか分からねーと思うが俺の方がもう何が起きてるか分からねーよ。 しょーがねーだろ赤ちゃんなんだから。 割と初めは戸惑ったけどね、もうなっちゃったもんは仕方ないからなるようになーれって過ごしてたら気がついたら立って歩けるようになったんだけどね、そこで気がついたんだよ。 ゴンベがいる。 ポケモンのゴンベが当たり前のように俺の隣に居たんだよ。 思わず泣いたよ。 赤ちゃんだから。 どうやら俺はポケモンの世界に来てしまったようだ。 そうなったら何一つ悲観するべき点はない。 夢にまで見たポケモンの世界だ。 パートナーと共にチャンピオン目指して冒険を始めるあれが俺にも待っていると考えただけで、毎日が楽しくて仕方がなかった。 唯一の誤算は女の子になっちゃってた事だけど、まぁそれは誤差の範囲だよね。 俺の口調があまりにも男っぽいからって母さんには何回か怒られたけど、一応ポケモン大好きおじさんだった過去は捨てられないからね。 そう簡単に口調を変えることが出来ず、母さんとの意地の張り合いになってしまった。 この件に関しては本当に申し訳ないと思っている。 なので俺は格好だけは母さんチョイスの女の子っぽい服装を選んでいる。 多少スカートとかはスースーするけど、まぁ気にする程じゃない。 そんなこんなで早くトレーナーになりてーなと思いながら日々を過ごしていたある日、突然俺の一家は引越しすることになった。 引越し先はガラル地方のハロンタウン。 そう、あのガラル地方だ。 正直よくわからん。 他の地方なら前世の知識でほぼ内容インプット済みなんだけどね、よりによってガラル地方は何も知らないんだよね。 だって発売前にこっちに来ちゃったから。 楽しみ過ぎて情報カットしていたせいで御三家の名前すら知らないんだよこっちは。 これがホウエンとかイッシュとかなら事前知識で無双! とか出来たかもしれないけどガラル地方じゃどうしようもない。 でもどうしようもないけど、知ってるシナリオをもう一回やるよりは知らない地方で知らないポケモンともう一回旅に出る方が絶対楽しいよねとポジティブシンキング。 でも引越し先がド田舎なのはどうなのよ母さん。 ポケモンの主人公の家ってド田舎にあるのが定番だけどさ、さすがにウールーとかいう羊みたいなポケモン以外ほとんど何も無いのはどうかと思うよ。 タウンというか完全に村だよヴィレッジだよ。 主人公の運命とはいえ11歳の女の子がこんな片田舎に引越しとか俺じゃなかったらだいぶ愚図ることになっただろう。 その辺は一応元大人だ。 スマホロトムという文明の利器もあるし、ウールー可愛いしで何とか耐えることが出来た。 ほんとウールー可愛い。 こんなモフモフした羊が現実にいるとかポケモンの世界は最高だ。 友達が出来た。 この世界に生まれて初めての友達だ。 俺ことユウリは割と可愛い顔をしているとは思うが、何故か表情筋が完全にくたばっていてろくに感情表現が出来ず、前にいた街では気味悪がられて一人として友達が出来なかった。 写真とかだと表情を作れるのだが、何故か人と喋る時は顔面が麻痺したかのように動かなくなるんだよなぁ……ポケモンの主人公の無表情っぷりって表情筋の病気かなにかのせいだったのだろうか? そんな無愛想な美少女である俺に出来た友達の名前はホップ。 元気ハツラツとしたThe・少年と言った感じの子供だ。 子供とは言いつつも非常に人格がよくできている。 「初めましてだな! 俺はホップ、よろしく! そんな緊張しなくても大丈夫だぞ!」 最初の挨拶でこんなことを言えるやつはこの世にそうそういないだろう。 親ですら感情の読めない俺の顔から、「なんか陽キャっぽくて苦手なタイプかもなぁ……」という緊張を読み取ってきたのだ。 その後もハロンタウンの案内とかもしてくれたし、ガラル地方のあれこれについても教えてくれたし、休日はバーベキューとかにも呼んでくれて何かと俺の事を気にかけてくれる。 なんかやけに優しくない? と聞いてみたら「お隣さんなんだから助け合うのは当たり前だろ?」なんて取り繕うことも無く言えるこの子は聖人かなにかなのだろうか。 「なぁユウリ。 ちょっとこの映像見てくれよ」 そんなある日、ホップが俺に見せてきたのは一人のトレーナーの映像だった。 一言で纏めると短パンタイツマントマンだ。 短パンとタイツとマント装備のちょっと変な格好の男性の映像だ。 「この人誰?」 「ガラル地方のチャンピオンで、俺の兄貴のダンデだぞ!」 そう言われてみると顔の形や髪の色、目の色がホップそっくりだ。 格好はちょっとよく分からないが中々イケメンでもある。 そしてチャンピオンと来た。 やはり、と予想してはいたがきっとホップはチャンピオンである兄を追いかけながら俺と切磋琢磨するライバル枠なのだろう。 「すっげぇカッコイイからちょっと見てくれよ! 兄貴は本当にすげぇんだぞ!」 普段は割と気遣いできるホップがグイグイとその映像を俺に押し付けてきた。 まぁ、いずれ俺が倒すこととなる相手だ。 情報は多いに越したことはないが……どうせならアイリスとかシロナさんみたいに可愛かったり美人な感じのチャンピオンが良かったなぁ……。 今は女とはいえ元は男なのだ。 ぶっちゃけ可愛い女の子の方が興奮する。 「………………」 「どうだ? なぁ、どうだユウリ!?」 隣で興奮しているホップを他所に、俺は画面をじっと見やる。 面白い。 ガラル地方ではポケモンバトルがサッカーや野球みたいなスポーツとして浸透していると聞いていたが、それにしても面白い。 チャンピオンであるからだろうが当然ポケモンへの指示も巧みで、更にエンターテインメント性が高い。 その手があったか、と膝を叩くような戦法も手に汗握る接戦もありながら、それらから一切わざとらしさを感じさせない。 ホップの兄さんのダンデさんは凄いポケモントレーナーだということが一目でわかったと共に、俺はその試合に目を奪われていた。 「…………他の試合の映像とかある?」 「ああ、まだまだあるぞ! 俺のオススメはいわタイプのジムリーダーのマクワさんとのだな……」 「いわタイプの? リザードンじゃ不利なんじゃ……?」 「そこは他のポケモンでカバーするんだぞ。 引越しから大体一年。 もうここでの暮らしもすっかり慣れていた俺はダンデさんにドハマリしていた。 関連グッズはおこづかいを全部はたいて買い集めたし、部屋もダンデさんを常に感じられるように改造した。 試合は全試合もちろん観たし、今では出回ってない貴重なジムチャレンジ時代の映像もホップに見せてもらったがまだ俺達と同じくらいの時からダンデさんはめちゃくちゃかっこよかった。 もうね、ダンデさんかっこよすぎてやばい。 語彙力が死んでる。 まずは顔がいいんだよ。 勝負の時のキリッとした顔と終わった後の爽やかな笑顔のギャップがかっこよさと可愛さを両立させていて、笑顔の時にちょっと眉間にシワが寄っちゃうところにフェチみを感じる。 大胆かつ流麗。 バトルの流れは荒れ狂う炎のように激しく美しい。 俺の性自認は未だ男のままだけどね、ダンデさんのかっこよさは男女とか人種の垣根とか人間とかポケモンとか関係なく通じるかっこよさだよ。 あらゆるトレーナーに効果抜群の必殺技使っちゃうとか最強のトレーナーじゃん。 ガラル最強のトレーナーだったわ。 「ユウリ! お邪魔するぞ!」 「ちょっと待ってホップ! 今ダンデさんの勝利インタビュー中だから!」 「録画してあるんだから後で見れば……」 「放送分と録画分の二回は見ないと、俺の生命維持に必要なダンデニウムが摂取出来ないの!」 「相変わらず兄貴の話になるとユウリは気持ち悪いな!」 たまにホップは辛辣かつ的を得た発言してくる。 こんなIQ全部元気にブッパしたみたいな性格をしているのに洞察力と観察眼は天下一品なのだ。 だが俺の手にかかればホップのその毒舌も、彼の中に潜むダンデさんと同じ遺伝子を抽出して擬似的にダンデさんから言われたと思えばむしろご褒美だ! 「本当に気持ち悪いぞユウリ! 12歳の女の子がしていい顔じゃないぞ!」 やかましい! 心の中の乙女がダンデさんを求めてるから仕方ねぇんだよ。 大体ダンデさんで興奮できないやつは生物として異常だ。 だってイケメンが短パンタイツマントで出歩いてるんだよ? あんな顔も声もいい人が短パンタイツマントで出歩いてるんだよ!? そんなもんオッサンであろうとも恋する乙女になるに決まってんだろ。 「……まぁ、兄貴はカッコイイから仕方ないな! でもあんまり外でそういうことは言わない方がいいと思うぞ。 変な奴だと思われるし、大人になってからの世間体がきついからな」 自分の兄に若干引いてもおかしくないくらいの情欲をぶつけられているにも関わらず、笑顔でこういう事を言って普通に俺と友達でいてくれるホップくんは正直マジで良い奴だと思う。 たまにウザイくらい絡んでくるけどそれは心配の裏返しなんだろう。 だって俺見たいやつが近くにいたら俺はキモイから近づかないようにするもん。 その点将来まで心配してくれるホップはなんなんだ? ガラル地方の優しが物質化した聖人なのか? やっぱ体内流れるダンデさんと同じ遺伝子の力なのか? 「とりあえず早く行こうぜ。 ユウリには詳細は言わない方がいいと思うけど、とりあえず絶対に喜ぶことだから早く来いよな!」 それだけ言い残してホップは家から飛び出して言ってしまった。 彼の相棒のウールーが扉をタックルで開け放ったが、ここは俺の家なんだ……扉の耐久力は有限で、せめて優しく開けてくれ友よ。 しかし俺が絶対に喜ぶことだと? 『君もチャンピオンセット』の限定版でも手に入れたからそれを見せてくれるとかだろうか? とにかく俺が絶対に喜ぶことなんてダンデさん関係でもなければホップが使わない表現だろう。 あんまり期待しすぎても変なものだった時に落ち込むことになるし、程々に期待しながら付いて行くとするか。 公共の場では興奮を抑えないと他の人の迷惑になるし、女子として大切なものを失うぞ」 ちょっと待ってくれホップ。 今俺はあやしいひかりを受けた後にげきりんを撃ってサイケこうせんを浴びたような状況なんだ。 だって俺の前に短パンタイツマントのダンデさんがいるんだよ。 短パンタイツマントのダンデさんがいるんだよ!? サプライズ過ぎて心臓止まったわ。 ダンデさんの声が電子音じゃなくて直接空気の振動として耳に入ってくるとかそれだけでもう幸せすぎて死ぬんだが? なんだホップはついにこの迷惑な隣人を殺す為に策を弄したというのか? くっ、なんて的確な作戦ナンダー。 でも死ぬわ。 これ俺死ぬわ。 「アニキー!」 「お、ホップ! わざわざ迎えに来てくれたか!」 そんな俺を他所にホップがダンデさんに声をかけたら、それに気がついたダンデさんがこっちに近づいてきてしまった。 ちょっと待ってまだ心の準備が、待って待って本当に待って。 近くで顔みたら電子画面の314倍くらいイケメンで目が潰れそう。 この距離なら匂いとかかげそうなのにあまりのイケメンさに五感が潰れて上手く匂いをかげねぇぞ。 「ホップ! お前、背が伸びたな! そうだな……ズバリ、3センチ!」 「正解! 流石兄貴、無敵の洞察力だな!」 え、弟の成長をセンチ単位で見抜くとか、洞察力とか以前の話の気がする。 そんな常に弟を見てその成長に頬を綻ばせるなんて、そう言う時折見せる穏やかな面も好きだし、兄であるダンデさんの新しい一面もカッコよすぎる……抱かれたい。 もうダンデさんとホップの絡みをダンデさんの短パンかタイツかマントになって見守りたい。 そんなことを考えていた、なんとダンデさんが俺の方に視線を向けた。 ダメですよチャンピオン。 貴方のその輝ける黄金の瞳はその破壊力で軽率に人を殺せるのですから、そんな簡単に俺の方を見ないで、あ、そんなじっと見られたら俺嬉しくて爆発しちゃうんでやめてください。 というか目の色? なんで目の色で判断するのダンデさん? おいホップお前はダンデさんに俺の何を伝えたんだと無言で圧を送ると、ホップは満面の笑みを浮かべて言い放った。 「ユウリの瞳は太陽みたいだからな! なんと言うか、そこにあるだけで心の内側がポカポカしてくるような、なんて言ったらわかんないけどとにかくそんな感じだ!」 「ああ、真っ直ぐ強い意志を秘めた綺麗な目をしているな!」 綺麗な目をしているな……? ダンデさんが、俺の目のことを、綺麗って言ったの? そのダイバーン級の言葉を受けて、俺の思考は完全に停止した。 固まってしまってるのか?」 「ああ、ユウリは兄貴の大ファンだからきっと緊張してるんだな」 「俺のファンなのか! そいつは嬉しいぜ! ……いや、固まってるにしては何か様子が……」 「確かに。 おいユウリどうしたんだ? ずっと兄貴に会いたがってたんじゃ…………!? 兄貴……」 「どうしたんだホップ? そんな平原で通り雨にあったヒトカゲみたいな顔をして」 「ユウリ、息をしてないぞ……」 「えっ」.

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【剣盾】【議論】ホップいらなくね? → あいつはこれだったら良キャラだったんだけどな

さすがだぞ ホップ

俺はポケモン大好きおじさんだった。 ポケットモンスターシリーズ最新作であるソード&シールドの発売を楽しみにしていたと思ったら、気がついたら赤ちゃんになっていた。 何を言ってるか分からねーと思うが俺の方がもう何が起きてるか分からねーよ。 しょーがねーだろ赤ちゃんなんだから。 割と初めは戸惑ったけどね、もうなっちゃったもんは仕方ないからなるようになーれって過ごしてたら気がついたら立って歩けるようになったんだけどね、そこで気がついたんだよ。 ゴンベがいる。 ポケモンのゴンベが当たり前のように俺の隣に居たんだよ。 思わず泣いたよ。 赤ちゃんだから。 どうやら俺はポケモンの世界に来てしまったようだ。 そうなったら何一つ悲観するべき点はない。 夢にまで見たポケモンの世界だ。 パートナーと共にチャンピオン目指して冒険を始めるあれが俺にも待っていると考えただけで、毎日が楽しくて仕方がなかった。 唯一の誤算は女の子になっちゃってた事だけど、まぁそれは誤差の範囲だよね。 俺の口調があまりにも男っぽいからって母さんには何回か怒られたけど、一応ポケモン大好きおじさんだった過去は捨てられないからね。 そう簡単に口調を変えることが出来ず、母さんとの意地の張り合いになってしまった。 この件に関しては本当に申し訳ないと思っている。 なので俺は格好だけは母さんチョイスの女の子っぽい服装を選んでいる。 多少スカートとかはスースーするけど、まぁ気にする程じゃない。 そんなこんなで早くトレーナーになりてーなと思いながら日々を過ごしていたある日、突然俺の一家は引越しすることになった。 引越し先はガラル地方のハロンタウン。 そう、あのガラル地方だ。 正直よくわからん。 他の地方なら前世の知識でほぼ内容インプット済みなんだけどね、よりによってガラル地方は何も知らないんだよね。 だって発売前にこっちに来ちゃったから。 楽しみ過ぎて情報カットしていたせいで御三家の名前すら知らないんだよこっちは。 これがホウエンとかイッシュとかなら事前知識で無双! とか出来たかもしれないけどガラル地方じゃどうしようもない。 でもどうしようもないけど、知ってるシナリオをもう一回やるよりは知らない地方で知らないポケモンともう一回旅に出る方が絶対楽しいよねとポジティブシンキング。 でも引越し先がド田舎なのはどうなのよ母さん。 ポケモンの主人公の家ってド田舎にあるのが定番だけどさ、さすがにウールーとかいう羊みたいなポケモン以外ほとんど何も無いのはどうかと思うよ。 タウンというか完全に村だよヴィレッジだよ。 主人公の運命とはいえ11歳の女の子がこんな片田舎に引越しとか俺じゃなかったらだいぶ愚図ることになっただろう。 その辺は一応元大人だ。 スマホロトムという文明の利器もあるし、ウールー可愛いしで何とか耐えることが出来た。 ほんとウールー可愛い。 こんなモフモフした羊が現実にいるとかポケモンの世界は最高だ。 友達が出来た。 この世界に生まれて初めての友達だ。 俺ことユウリは割と可愛い顔をしているとは思うが、何故か表情筋が完全にくたばっていてろくに感情表現が出来ず、前にいた街では気味悪がられて一人として友達が出来なかった。 写真とかだと表情を作れるのだが、何故か人と喋る時は顔面が麻痺したかのように動かなくなるんだよなぁ……ポケモンの主人公の無表情っぷりって表情筋の病気かなにかのせいだったのだろうか? そんな無愛想な美少女である俺に出来た友達の名前はホップ。 元気ハツラツとしたThe・少年と言った感じの子供だ。 子供とは言いつつも非常に人格がよくできている。 「初めましてだな! 俺はホップ、よろしく! そんな緊張しなくても大丈夫だぞ!」 最初の挨拶でこんなことを言えるやつはこの世にそうそういないだろう。 親ですら感情の読めない俺の顔から、「なんか陽キャっぽくて苦手なタイプかもなぁ……」という緊張を読み取ってきたのだ。 その後もハロンタウンの案内とかもしてくれたし、ガラル地方のあれこれについても教えてくれたし、休日はバーベキューとかにも呼んでくれて何かと俺の事を気にかけてくれる。 なんかやけに優しくない? と聞いてみたら「お隣さんなんだから助け合うのは当たり前だろ?」なんて取り繕うことも無く言えるこの子は聖人かなにかなのだろうか。 「なぁユウリ。 ちょっとこの映像見てくれよ」 そんなある日、ホップが俺に見せてきたのは一人のトレーナーの映像だった。 一言で纏めると短パンタイツマントマンだ。 短パンとタイツとマント装備のちょっと変な格好の男性の映像だ。 「この人誰?」 「ガラル地方のチャンピオンで、俺の兄貴のダンデだぞ!」 そう言われてみると顔の形や髪の色、目の色がホップそっくりだ。 格好はちょっとよく分からないが中々イケメンでもある。 そしてチャンピオンと来た。 やはり、と予想してはいたがきっとホップはチャンピオンである兄を追いかけながら俺と切磋琢磨するライバル枠なのだろう。 「すっげぇカッコイイからちょっと見てくれよ! 兄貴は本当にすげぇんだぞ!」 普段は割と気遣いできるホップがグイグイとその映像を俺に押し付けてきた。 まぁ、いずれ俺が倒すこととなる相手だ。 情報は多いに越したことはないが……どうせならアイリスとかシロナさんみたいに可愛かったり美人な感じのチャンピオンが良かったなぁ……。 今は女とはいえ元は男なのだ。 ぶっちゃけ可愛い女の子の方が興奮する。 「………………」 「どうだ? なぁ、どうだユウリ!?」 隣で興奮しているホップを他所に、俺は画面をじっと見やる。 面白い。 ガラル地方ではポケモンバトルがサッカーや野球みたいなスポーツとして浸透していると聞いていたが、それにしても面白い。 チャンピオンであるからだろうが当然ポケモンへの指示も巧みで、更にエンターテインメント性が高い。 その手があったか、と膝を叩くような戦法も手に汗握る接戦もありながら、それらから一切わざとらしさを感じさせない。 ホップの兄さんのダンデさんは凄いポケモントレーナーだということが一目でわかったと共に、俺はその試合に目を奪われていた。 「…………他の試合の映像とかある?」 「ああ、まだまだあるぞ! 俺のオススメはいわタイプのジムリーダーのマクワさんとのだな……」 「いわタイプの? リザードンじゃ不利なんじゃ……?」 「そこは他のポケモンでカバーするんだぞ。 引越しから大体一年。 もうここでの暮らしもすっかり慣れていた俺はダンデさんにドハマリしていた。 関連グッズはおこづかいを全部はたいて買い集めたし、部屋もダンデさんを常に感じられるように改造した。 試合は全試合もちろん観たし、今では出回ってない貴重なジムチャレンジ時代の映像もホップに見せてもらったがまだ俺達と同じくらいの時からダンデさんはめちゃくちゃかっこよかった。 もうね、ダンデさんかっこよすぎてやばい。 語彙力が死んでる。 まずは顔がいいんだよ。 勝負の時のキリッとした顔と終わった後の爽やかな笑顔のギャップがかっこよさと可愛さを両立させていて、笑顔の時にちょっと眉間にシワが寄っちゃうところにフェチみを感じる。 大胆かつ流麗。 バトルの流れは荒れ狂う炎のように激しく美しい。 俺の性自認は未だ男のままだけどね、ダンデさんのかっこよさは男女とか人種の垣根とか人間とかポケモンとか関係なく通じるかっこよさだよ。 あらゆるトレーナーに効果抜群の必殺技使っちゃうとか最強のトレーナーじゃん。 ガラル最強のトレーナーだったわ。 「ユウリ! お邪魔するぞ!」 「ちょっと待ってホップ! 今ダンデさんの勝利インタビュー中だから!」 「録画してあるんだから後で見れば……」 「放送分と録画分の二回は見ないと、俺の生命維持に必要なダンデニウムが摂取出来ないの!」 「相変わらず兄貴の話になるとユウリは気持ち悪いな!」 たまにホップは辛辣かつ的を得た発言してくる。 こんなIQ全部元気にブッパしたみたいな性格をしているのに洞察力と観察眼は天下一品なのだ。 だが俺の手にかかればホップのその毒舌も、彼の中に潜むダンデさんと同じ遺伝子を抽出して擬似的にダンデさんから言われたと思えばむしろご褒美だ! 「本当に気持ち悪いぞユウリ! 12歳の女の子がしていい顔じゃないぞ!」 やかましい! 心の中の乙女がダンデさんを求めてるから仕方ねぇんだよ。 大体ダンデさんで興奮できないやつは生物として異常だ。 だってイケメンが短パンタイツマントで出歩いてるんだよ? あんな顔も声もいい人が短パンタイツマントで出歩いてるんだよ!? そんなもんオッサンであろうとも恋する乙女になるに決まってんだろ。 「……まぁ、兄貴はカッコイイから仕方ないな! でもあんまり外でそういうことは言わない方がいいと思うぞ。 変な奴だと思われるし、大人になってからの世間体がきついからな」 自分の兄に若干引いてもおかしくないくらいの情欲をぶつけられているにも関わらず、笑顔でこういう事を言って普通に俺と友達でいてくれるホップくんは正直マジで良い奴だと思う。 たまにウザイくらい絡んでくるけどそれは心配の裏返しなんだろう。 だって俺見たいやつが近くにいたら俺はキモイから近づかないようにするもん。 その点将来まで心配してくれるホップはなんなんだ? ガラル地方の優しが物質化した聖人なのか? やっぱ体内流れるダンデさんと同じ遺伝子の力なのか? 「とりあえず早く行こうぜ。 ユウリには詳細は言わない方がいいと思うけど、とりあえず絶対に喜ぶことだから早く来いよな!」 それだけ言い残してホップは家から飛び出して言ってしまった。 彼の相棒のウールーが扉をタックルで開け放ったが、ここは俺の家なんだ……扉の耐久力は有限で、せめて優しく開けてくれ友よ。 しかし俺が絶対に喜ぶことだと? 『君もチャンピオンセット』の限定版でも手に入れたからそれを見せてくれるとかだろうか? とにかく俺が絶対に喜ぶことなんてダンデさん関係でもなければホップが使わない表現だろう。 あんまり期待しすぎても変なものだった時に落ち込むことになるし、程々に期待しながら付いて行くとするか。 公共の場では興奮を抑えないと他の人の迷惑になるし、女子として大切なものを失うぞ」 ちょっと待ってくれホップ。 今俺はあやしいひかりを受けた後にげきりんを撃ってサイケこうせんを浴びたような状況なんだ。 だって俺の前に短パンタイツマントのダンデさんがいるんだよ。 短パンタイツマントのダンデさんがいるんだよ!? サプライズ過ぎて心臓止まったわ。 ダンデさんの声が電子音じゃなくて直接空気の振動として耳に入ってくるとかそれだけでもう幸せすぎて死ぬんだが? なんだホップはついにこの迷惑な隣人を殺す為に策を弄したというのか? くっ、なんて的確な作戦ナンダー。 でも死ぬわ。 これ俺死ぬわ。 「アニキー!」 「お、ホップ! わざわざ迎えに来てくれたか!」 そんな俺を他所にホップがダンデさんに声をかけたら、それに気がついたダンデさんがこっちに近づいてきてしまった。 ちょっと待ってまだ心の準備が、待って待って本当に待って。 近くで顔みたら電子画面の314倍くらいイケメンで目が潰れそう。 この距離なら匂いとかかげそうなのにあまりのイケメンさに五感が潰れて上手く匂いをかげねぇぞ。 「ホップ! お前、背が伸びたな! そうだな……ズバリ、3センチ!」 「正解! 流石兄貴、無敵の洞察力だな!」 え、弟の成長をセンチ単位で見抜くとか、洞察力とか以前の話の気がする。 そんな常に弟を見てその成長に頬を綻ばせるなんて、そう言う時折見せる穏やかな面も好きだし、兄であるダンデさんの新しい一面もカッコよすぎる……抱かれたい。 もうダンデさんとホップの絡みをダンデさんの短パンかタイツかマントになって見守りたい。 そんなことを考えていた、なんとダンデさんが俺の方に視線を向けた。 ダメですよチャンピオン。 貴方のその輝ける黄金の瞳はその破壊力で軽率に人を殺せるのですから、そんな簡単に俺の方を見ないで、あ、そんなじっと見られたら俺嬉しくて爆発しちゃうんでやめてください。 というか目の色? なんで目の色で判断するのダンデさん? おいホップお前はダンデさんに俺の何を伝えたんだと無言で圧を送ると、ホップは満面の笑みを浮かべて言い放った。 「ユウリの瞳は太陽みたいだからな! なんと言うか、そこにあるだけで心の内側がポカポカしてくるような、なんて言ったらわかんないけどとにかくそんな感じだ!」 「ああ、真っ直ぐ強い意志を秘めた綺麗な目をしているな!」 綺麗な目をしているな……? ダンデさんが、俺の目のことを、綺麗って言ったの? そのダイバーン級の言葉を受けて、俺の思考は完全に停止した。 固まってしまってるのか?」 「ああ、ユウリは兄貴の大ファンだからきっと緊張してるんだな」 「俺のファンなのか! そいつは嬉しいぜ! ……いや、固まってるにしては何か様子が……」 「確かに。 おいユウリどうしたんだ? ずっと兄貴に会いたがってたんじゃ…………!? 兄貴……」 「どうしたんだホップ? そんな平原で通り雨にあったヒトカゲみたいな顔をして」 「ユウリ、息をしてないぞ……」 「えっ」.

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ホップ(トレーナー) (ほっぷ)とは【ピクシブ百科事典】

さすがだぞ ホップ

熱血漢でまっすぐな性格の上、本作のバトルでホップくんのポケモンに抜群を取ると、 「さすがだぞ! タイプの 相性を ばっちり わかって いるんだな!」 といったセリフをわざわざカットインまで入れて言ってくれるので Twitterで連日改変ネタが流れてくる事態になっていますが、 それはともかく、本編をプレイすると 非常に人間くさく感情移入がしやすいキャラクターであることが分かります。 そもそもどんなキャラ? ホップくんは 物語開始時点での ガラルのチャンピオン・ダンデを兄に持つ男の子です。 彼は 彼自身の憧れであり目標である兄を倒してチャンピオンになるためにジムチャレンジに挑んでいきます。 ここ覚えておきましょう 序盤では御三家 主人公から見て有利になるタイプのポケモン。 メッソンを選ぶとヒバニーを連れていく と相棒であるウールーを連れて、徐々にパーティを増やしつつ主人公と腕試しをしていきます。 このとき彼に対して効果抜群を取ると褒めてくれるのは先述のとおりですが、ただ全肯定してくれるわけではなく こちらが抜群を取られると逆にちょっと煽ってくるのがライバルっぽくて好きです。 完全に脱線しますけどウールーちゃん可愛すぎなんですよね。 草ジムで死ぬかと思いました。 あれこれ前も言ったな。 ビートに敗北し… 物語中盤、本作のもう一人のライバルキャラであり 後に文字通りピンク堕ちさせられることになるジムチャレンジャー・ビートくんに勝負をしかけられ、ホップくんは敗北します。 さらに「チャンピオン ダンデ の顔に泥を塗っている」という非常に厳しい言葉を浴びせられてしまいます。 てめこのやろピンクのくせに。 いやまだこの時点では完全体ピンクじゃないけど。 しかし その後のホップくんのセリフの元気の無さたるや……………………………………………… 何がアレって語尾が「……」になってるだけでもしんどいのに たまに「……!」になって無理して元気出してる感を醸し出してくるのがつら………………………………………………………………………… まぁなんだかんだで折れずに立ち直っていくのですが えらい つよい 、その後はパーティ編成を試行錯誤して色んなポケモンで戦ってきます。 ラテラルタウン、及び7番道路前での戦闘では なんと相棒のウールーがいません。 強さのために葛藤しながら相棒をボックス送りにするホップくんと、全然知らないポケモンの代わりに一度はリストラされるウールーの心境を思うと本当に苦しい……。 このあたりからホップくんの「 人前では気丈に振る舞いつつも、裏では自分の弱さにもがいて努力している」ものすごーーーーく人間らしい部分が垣間見えてきます。 余談ですが7番道路の際に繰り出してきた オーロットにパーティを壊滅させられかけ、「おっ、これは後々手強いキャラになるぞ」と密かに胸が熱くなったのは印象深いです。 トーナメント戦では 物語も終盤、主人公とホップ、マリィ、そして テキスト上でのみ存在が示唆される謎の強者チャレンジャーXの4人でチャンピオンカップが行われます。 あいつ何者だったんだ。 数々の敗北、試行錯誤を積み重ね、目標である兄ダンデに挑むため、 かつて同じ町から旅立ち、ライバルとして何度も競い合った主人公といよいよスタジアムで対峙します。 この時のホップくんのセリフがまぁエモい……………………………… そしてその時の彼の手持ちは以下でした。 ・バイウールー ・カビゴン ・アーマーガア ・バチンウニ ・エースバーン オーロットいねぇ。 その後主人公は勝利するのですが、その時のホップくんのリアクションが すごい悔しそうで…… でもその気持ちを押し込めて主人公を激励するのでホェェェェェェェェェェェェエーーーーーーーーーーーーーー ごめんな……でもライバルだから本気でやらなきゃと思って……あと多分オーロットいたら普通に勝てたよ…… (余談ですがここで抜群を取ると「お前なら抜群を取ってくると思ってたぞ 要約 」というセリフを言ってくれるのがくっそ熱くてすき) ひとつ印象に残った点として、ホテルに戻ったあと主人公がめちゃくちゃインタビューされ、ホップくんが「疲れてるんだから可哀想だろ! 要約 やさしい たよれる 」と突っぱねるシーンがあります。 このシーン、見方によっては まだ負けた事に気持ちの整理がつかなくて、隣で主人公がチャンピオン戦への意気込みを語っていることにやきもちをやいているのでは…?ともとれる描写です。 ホップくんからしたら、チャンピオンと戦うのは自分だったはず、そのインタビューを受けるのも自分だったはずなのですから……。 おそらくこれも後述の彼の葛藤に繋がってくるのでしょう。 その後なんやかんや二人でムゲンダイナを鎮めたりした後、主人公はダンデに勝ち、見事新しいガラルのチャンピオンとなって物語は一旦幕をおろします。 クリア後シナリオでは が、ここからがホップくんの物語の真骨頂です。 どうした!!!!????????!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!??!?!?!?!?!?!?!?!?!?!???!?!?!?!?!?!?!??!?!?!??!!?いや色々あったとはいえさすがにどうした!!!?!?!?!???!?!?!?!?!?!?!??!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!??!?!?!?!??!?!?!?!?!?!??!?!?!?!?!?!?!??! その理由はなんとなく察せるものの、イベントの最後の最後にも彼の口から少し語られます。 要約すると 「目標としていた兄がチャンピオンでなくなりどうしていいか分からず、さらに主人公やソニアがどんどん昇進していく中で自分だけ置いていかれている感じがした」ということでした。 ハァ゛ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ 号泣 あんた十分強いし凄いしいい子じゃないのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 今までどんな気持ちで抜群褒めてくれてたのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!私を褒めてる暇があったら自分の事もっと褒めてあげなさいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! とまぁ大変生々しい劣等感を抱えていた彼でしたが、ダイマックスポケモンを鎮めてガラルの人々を助け、暴走しかけたザシアン ザマゼンタ を一人でなだめ最終的に 普通のモンスターボールで捕獲するという経験を経て、 彼は「博士になる」という新しい目標を見つけて突き進んでいくのでした。 よかったねホップくん。 努力家の君ならきっと大丈夫だ。 また地味に重要な描写として、キルクススタジアムのメロンさんがホップくんに「頼りになる」と言ってあげるシーンがあるのですが、おそらくそれも彼を変えるトリガーになったのでしょう。 この時のニヤつきながら驚いているところをネズさんに指摘されるホップくんが可愛すぎます。 ここまでひたすらに彼の成長を振り返ってきましたが、改めてこのゲーム ホップくんに関する心理描写が緻密ですごい。 泣いちゃう。 個人的にポケモン史上トップクラスに好きなキャラクターになりました。 ありがとうポケモン剣盾。

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