エーザイ 新薬。 ニュースリリース:2020年

アルツハイマー新薬で急騰のエーザイ株 さて、今後の展開は...?: J

エーザイ 新薬

アルツハイマー病は認知症の一種で高齢化により世界的に患者数が急増している。 潜在的需要の大きさから製薬各社が新薬開発を競っているが、治験失敗による開発中止や撤退も相次いでいる。 こうしたなか、世界で初めて認知機能の低下を抑制する効果を示した米バイオジェンとエーザイが開発した『アルツハイマー治療薬』の「アデュカヌマブ」に世界の注目が集まっている。 そんな「アルツハイマー治療薬」について三井住友DSアセットマネジメントがマーケットレポートを公開したので紹介しよう。 『アルツハイマー治療薬』の新薬開発競争が激化 アルツハイマー病は1906年に精神科医のアルツハイマー博士により学会で初めて症例が報告された。 認知症の一種で、記憶や思考能力がゆっくりと低下し、最終的には日常生活も困難になる進行性の病気。 世界の2050年の認知症患者は、2018年の約3倍の1億5,200万人に増えると予測されている。 製薬会社は、『アルツハイマー治療薬』の潜在的な需要は大きく新薬開発を競い様々な仕組みの治療薬を開発してきたが、治験失敗による開発中止や撤退も相次いだ。 米メルクやイーライリリー、スイス・ロシュなどが開発中の治療薬の治験を中止。 現在、世界の『アルツハイマー治療薬』はエーザイの「アリセプト」など4種類あるが、いずれも一時的な改善の効果しかない。 こうしたなか世界で初めて認知機能の低下を抑制する効果を示した、米バイオジェンとエーザイが開発した「アデュカヌマブ」に世界の注目が集まっている。 進行抑制効果に注目集まる 米バイオジェンは2019年12月5日、エーザイと共同開発している「アデュカヌマブ」について、投与した患者の認知機能の低下スピードが2割ほど遅くなったとする臨床試験(治験)のデータを米国の国際学会で発表した。 両社は2020年初めに米国で承認申請する方針。 認知や日常生活に関わる機能で症状悪化を遅らせる効果が認められ、アルツハイマー病の進行を抑える世界で初めての薬となり、大きな注目を集めている。 承認が実現して商品化されれば、大きな需要が見込めると期待されている。 高薬価への柔軟な取り組みが求められる 世界的に高齢化による社会保障費の増大が予想されるなか、「アデュカヌマブ」はアルツハイマー病の進行を抑える世界で初めての薬として注目されている。 承認された場合、同薬は抗体医薬と呼ぶバイオ医薬品で、錠剤やカプセル剤と違って量産が難しいため、高薬価が予想される。 世界的に高薬価の新薬が相次いでおり、各国の社会保障費とどうバランスしていくか柔軟な取り組みが求められる。 関連情報: 構成/DIME編集部.

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新薬開発について

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アデュカヌマブについて説明するエーザイの内藤晴夫社長(10月、東京都文京区のエーザイ本社) 5日午前8時(日本時間6日午前1時)。 米カリフォルニア州サンディエゴで開かれた国際学会「アルツハイマー病臨床試験会議」の会場は約1500人の定員を超え、立ち見も出るほどの盛況だった。 学会に参加した東京大学の岩坪威教授は「認知機能に関するデータは、ポジティブに受け止められた」と話す。 アデュカヌマブは患者の脳内に蓄積したたんぱく質の「ゴミ」を取り除く効果がある。 3月に米国での治験を監督する第三者機関から有効性を証明するのは難しいと判断され治験を中止した経緯があるが、バイオジェンは高用量を投与した患者のデータを改めて公表した。 岩坪教授は「投与量が増えると効果が出ることが明確に示された」と話す。 株式市場も買いで答えた。 両社の株価は3月に急落した後、10月にはアデュカヌマブの有効性を再確認して米食品医薬品局(FDA)に承認申請すると発表して急回復した経緯がある。 今回の学会発表でその具体的なデータを示したかたちだ。 アデュカヌマブが注目されるのは、認知症そのものへの効果が期待できるからだ。 これまでの認知症関連の治療薬にはエーザイが1997年に発売した「アリセプト」などがあるが、一時的に認知機能を改善する効果にとどまる。 バイオジェンとエーザイは20年の初めにもFDAにアデュカヌマブの承認を申請する方針で、最短で21年にも認知機能の低下を抑える世界初の治療薬として発売できる可能性がある。 アルツハイマー病を中心とする認知症患者は15年時点で世界に4600万人、50年には1億5000万人まで増えると予想される。 市場規模は大きく、アデュカヌマブは年間売り上げが1000億円を超える新薬「ブロックバスター」となる可能性がある。 国内証券アナリストは「年間3000億~4000億円はいける。 1兆円を超える潜在力もあるだろう」と評価する。 米国研究製薬工業協会によると1998年から2017年まで米国で開発された認知症関連の治療薬で、実際に米食品医薬品局(FDA)の承認を得られたのはわずか4件にとどまる。 アルツハイマー病の進行を抑える治療薬が誕生すれば患者や家族の生活を守る福音になるが、課題は残る。 病気を治療する一般的な新薬とは違い、アデュカヌマブは病気の進行を遅らせる効果を持つ。 東京大学の岩坪威教授「FDA側としても(今回の承認審査は)未知の体験となるだろう」と指摘する。 業界では「認められる確率は半々」との評価もある。 また、仮に承認されても薬価をどのように設定するかも大きな問題だ。 今回の治験では体重1キログラムあたり10ミリグラムの用量を投与した患者に有効性があり、体重60キログラムの人であれば毎月の投与量は600ミリグラムとなる。 バイオ医薬品になるため製造原価は高く、年間の薬剤費は2千万円以上になる可能性もある。 日本で保険適用されるにはハードルが高く、海外でも低所得者・高齢者向けの医療保険でまかなうのは難しい価格帯になる可能性が高い。 ただ、社会保障費の抑制は先進国の共通の課題だ。 米国ではアルツハイマー病に年間1400億ドル(約15兆円)の医療費を投じているが、患者数の増加で50年には1兆ドルに増えると予想されている。 アルツハイマーの発症を5年抑える新薬が登場すれば、患者数は4割減り、年間3670億ドルの医療費を削減できるという試算もある。 アデュカヌマブの今回の発表に刺激されて、他の製薬会社の開発が活発になる可能性もある。 限りある社会保障費のなかで、新薬を受け入れる準備も必要になりそうだ。 (高田倫志、坂部能生).

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一度は治験中止で株価暴落も... 人類の高齢化に伴ってその罹患者が増えている認知症は、世界の医療医薬界がその治癒のハードルの高さに直面していると言っていい。 かつて「不治の病」と恐れられた病であっても、最先端の人類の英知が集められた結果、今や早期に発見し適切な治療を施すことによって罹患者の生存確率は以前に比べて格段に高まっており、「天寿」をまっとうしたといえることも珍しくなくなっている。 しかし、認知症については根本的に治療する薬がなく、世界の製薬メーカーが開発にしのぎを削ってきた。 それでも壁は厚く、米ファイザーやスイスのロシュなど、治験の失敗が相次いでいる。 発病のメカニズムがはっきり解明されていないことが背景にあり、治験で薬の有効性を合理的に示す方法も確立していない。 こうした中でエーザイが米バイオジェンと治験を進めていた新薬「アデュカヌマブ」は、アルツハイマー型認知症について、病気の進行そのものを抑える効果を狙うものだ。 しかし、そのエーザイ・米バイオジェン連合の挑戦も2019年3月、最終段階の治験の結果から主要評価項目の達成が難しいと判断して治験を中止すると発表、両社の株価は暴落した。 5000円台から8000円近くまで戻す それが一転して、結果を再分析したところ、症状悪化を遅らせる効果が認められたため米国で承認申請を目指すというのだから、株式市場には「ポジティブ・サプライズ」(SMBC日興証券)だった。 野村証券は投資判断を3段階の真ん中の「Neutral」から最上位の「Buy」に格上げし、目標株価を5500円から15000円に引き上げた。 大和証券は投資判断を5段階で最下位の「5」から「4」に格上げし、目標株価を3400円から4500円に引き上げ。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券は3段階の真ん中から最上位に格上げし、目標株価を5000円から10900円に引き上げた。 「アデュカヌマブ」と同様の効果を求めて開発を進めている「BAN2401」への期待が復活するとの指摘も聞かれた。 エーザイの株価は3月の治験中止発表前につけた9679円(現在の年初来高値)から9月4日の年初来安値5205円まで下落したが、「承認申請」を追い風に一時は8000円台半ばを記録。 その後はやや落としたものの、10月29日時点でも8000円弱をマークしている。 ただ、いったん治験中止と発表していた薬を承認申請する例はあまりない。 エーザイ株の今後のさらなる上昇には懐疑的な見方もある。

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